星野 俊也
大阪大学大学院国際公共政策研究科
ESGインテグレーション研究教育センター共同代表
国連システム査察団(JIU)監査官(元国連大使)
「プラネタリーヘルス(Planetary Health)」という言葉があります。文字通り訳せば「惑星の健康」ですが、この惑星とは私たちの暮らす、かけがえのない地球です。したがって、これは「地球の健康」の意味になります。
みなさまが毎日の生活のなかで「地球の健康」にまで思いを巡らすことはほとんどないかと思いますが、本日は違います。
このシンポジウムでは、みなさまと一緒に、私たちのwell-beingが想像以上に地球の健康と密接にかかわっていること、しかも、私たち人間の経済社会活動や技術革新の急速な拡大や進展が地球環境と生態系と私たちのwell-beingとのバランスに重大な影響を及ぼしていることに目を向け、実感していただきます。その上で、私たちの想像力とイノベーションと実践行動を結集し、地球の健康と私たちのwell-beingが両立する、よりサステイナブルな未来の構築のための「次なるステップ」の具体的なアイデアや取組を議論します。
地球のキャパシティには限界がありますが、私たちの知的な活動にはバウンダリーもリミットもありません。文理の融合、産官学の共創、そして夢と現実の交錯を通じ、不可能と考えられていることや、逆に常識として受け入れられていることさえもひっくり返すような発想や視点も含め、あらゆる角度からの議論を期待しています。